修行僧ぷってんの雑記

移動メインのトラベラー

都会の鉄オタが知らない地方の現実 その2

 

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前回のこちらから続きます。

 

 

都会の鉄オタくんたちは、地方でローカル線が苦境に立たされているのか、鉄道が冷遇されるのか、理解が及ばないでしょうから、順を追って説明していきます。

 

 

まず、大前提として。

 

地方在住者にとって、移動インフラの確保という点で、何より優先すべき事は「クルマを持つか、持たないか」です。鉄道が好きとか嫌いとか、使うとか使わないとか、そんな次元の話ではないです。

f:id:travelpudding:20200414181023j:image「クルマを持つか持たないか。もしクルマを持たないなら、公共交通を使うか使わないか」

こういう順番で選択をしていくのは、いたって自然なことです。

 

何よりも、生活していく上での選択なわけですから、インフラとしての意味合いが薄い(=お金に余裕のある人が持つ)、都市部在住のケースと、同列に並べる事は出来ません。

 

下手すると、ここを理解していない人も結構います。

 

 

さて、前回まとめた要点に対して回答していきます。

 

1.移動費が鉄道に比べて安い

A.「移動する事だけに着目すれば、実は圧倒的に鉄道が安く済む」

 

「移動費が鉄道と比べて安い」。これは、おそらくクルマの中でも、マイカーではなくレンタカーやカーシェアを想定した発言だと思われます。

 

 

マイカーと、レンタカーやカーシェアは、似ているようで全く違うものなのですが、同じクルマなので、ここを履き違える人も多いです。

 

 

まず、マイカーには「クルマを保有するためのコスト」というものが一定期間かかってきます。車両代金がそれですね。

 

そして、「クルマを動かすためのコスト」もかかります。ガソリン代がそれです。

 

ここまでは思慮が及ぶ人も多いでしょう。

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しかし、マイカーにかかる代金はこれにとどまりません。

 

例えば、クルマの購入時にかかる消費税。2020年時点の消費税は10%であり、これが結構バカになりません。

 

他にも「クルマを保有し続けるコスト」として、自動車税、自動車重量税、環境性能税(かつての自動車取得税)もありますし、自動車保険料、さらには車検代もかかってきますね。

 

そう考えると、クルマを「保有するだけ」で年間平均20万円以上かかっても不思議ではありません。

 

そんな、クルマを保有するリスクを、1人ではなく複数人で分配したものがレンタカー、カーシェアという形態なのです。

 

 

と、ここまで説明すれば、「クルマの移動費は鉄道よりも安い」と思う人はおそらくいないでしょう。

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(カーシェアサービスの一例。オンラインでクルマを予約し、現地ステーションへ。事前登録したICカードで利用開始となります)

 

 

2.郊外の大型ショッピングセンターの乱立

A.「地方都市の駅前商店街・百貨店などは、時代の変化に対応出来ていたのか?」という疑念

 

確かに、クルマ社会の進行が、結果的に地方都市中心部の空洞化を招いた事は否定出来ません。

 

しかし、そうした社会構造の変化に対し、地方都市中心部の方々は、何か手を打ってきたでしょうか。

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おそらく、商店街は徒列を組むことで、「黒船襲来」を断固拒否し、既得権益を守ろうとした事でしょう。

 

あるいは、「駅中心部へは、クルマではなく、鉄道で来てください」と言わんばかりの、駐車料金の設定(異常に渋い割引や駐車台数の制限)も考えられます。百貨店なんかが当てはまります。

 

それがどういう結果を生んだかは、答えるまでもないですよね。

 

言うなら、「ビジネスモデルは変えようとせず、客のニーズも考えず、生き残りだけを考えた結果」、今の状態を生んだとも言えます。

 

 

※逆に、ショッピングモールは、クルマ以外の来客を想定していないかと言うと、そんな事はなく、シャトルバスを運行したり、あるいは駅チカに建設したりするケースも見られます。最寄り駅から、徒歩でモールへと向かう若年層の集団を見かけることもしばしば。

 

もちろん、ファーストチョイスはクルマでしょうが、かといって「クルマ以外お断り」の雰囲気はありません。

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(西日本最大級のイオンモール橿原にて。JR桜井線の金橋駅が最寄駅で、モールまでは徒歩10分。桜井線の日中の運転頻度は、毎時1本と、利便性はあまり高くないのですが、金橋駅からは20人近くの中高生が闊歩していました)

 

 

 

3.高速道路の延伸

A.「地方の交通インフラ事情が、今より便利にならない事を望むのか?」

 

高速道路が延伸すれば、多かれ少なかれ、良くも悪くも、移動事情が変化します。

しかし、高速道路が開通しないままだと、確かに鉄道は一定の競争力を持ちますが、クルマ移動の所要時間は変化しません。

 

言うまでもありませんが、地方は鉄道利用者よりもクルマ移動者の方が多いです。

 

 

高速道路が延伸しないという事は、「移動が便利になる可能性とニーズはあるのに、多数の人間にとって、不便であり続けるのを望んでいる」ということになりますが、それで良いのでしょうか。

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(阪和道延伸で利便性が上がった和歌山県すさみ町)

 

 

とまあ、よくある都市部在住鉄オタくんたちのポジショントークに回答してみました。まだ続きます。

 

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