修行僧ぷってんの雑記

移動メインのトラベラー

都会の鉄オタが知らない地方の現実 その4

まだまだ続きます。

 

 

地方鉄道路線の新設・保護について、前回は「新設」について触れましたが、今回は「保護」の観点で説明していきます。

 

 

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保護という観点で、Twitter上で目にするのは、「政府は、道路に対してお金を投入するのに、鉄道に対しては資金を出し渋る」という論調。

 

 

その話に移る前に、鉄道と道路の収入とその使われ方を考えてみましょう。

 

 

 

 

 

まずは道路から。データ元はJAMA(日本自動車工業会)より参照しました。

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これを見ると、自動車関連税の金額は約8兆5,000億円と、日本政府の租税収入の約10%を占めています。

www.jama.or.jp

その中でも、自動車関連の税金の性質についてはこちらに詳しいです。

 

www.jama.or.jp

 

 

次は鉄道。国土交通省の統計情報→鉄道関係統計から「定期定期外別 旅客運輸収入の推移」という箇所があり、こちらを参照しました。データがやや古く、2005年の情報。

 

http://www.mlit.go.jp/common/000990174.pdf

 

さて、両者を見比べた際に、気になる点があります。

 

それは、「JR全社の定期券収入は年間7,345億円」にものぼるという点。しかも、数値にほぼ変動がないという点。

 

これらの定期券収入は、上記データ上では、JR全社の運賃収入の約23%に上ります。

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もう少し定期券収入について精査してみましょう。2019年度の決算について、データを拾ってみました。

 

JR北海道

https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/mi/kessangaikyou/2019_kessan.pdf

 

JR東日本

https://www.jreast.co.jp/investor/financial/2020/pdf/kessan02.pdf

 

JR東海

https://company.jr-central.co.jp/ir/brief-announcement/detail/_pdf/000040419.pdf

pany.jr-central.co.jp/ir/brief-announcement/detail/_pdf/000039539.pdf

 

JR西日本

https://www.westjr.co.jp/company/ir/financial/pdf/20/10.pdf

 

JR四国

http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2020%2005%2008%2001.pdf

 

JR九州

https://www.jrkyushu.co.jp/company/ir/library/earnings/__icsFiles/afieldfile/2020/05/12/9142.FY2019.4q.material_script.ja.pdf

 

 

これらの数字を「鉄道輸送」にのみ焦点を当て総計すると、

 

・JR北海道→運輸収入全体が706億円。このうち、定期券収入が118億円

 

・JR東日本→運輸収入全体が1兆7,928億円。このうち定期券収入が5,094億円

 

・JR東海→運輸収入全体が1兆3,656億円。このうち定期券収入が538億円

 

・JR西日本→運輸収入全体が8,568億円。このうち定期券収入が2,953億円

 

・JR四国→運輸収入全体が181億円。このうち、定期券収入が44億円

 

・JR九州→運輸収入全体が1,473億円。このうち、定期券収入が325億円

 

以上のようになっています。

 

合計すると、2019年の鉄道運賃収入は約4兆2,512億円で、このうち定期券収入は9,072億円

 

 

2005年と比較すると、インバウンド需要の高まりなど、定期外収入の増加があることからか、JR全体における定期券収入比率は約21%と、若干低減しています。

 

と、ここまでが収入の話。続いて支出の話に移ります。

 

 

 

鉄道の場合、国や地方自治体ではなく、鉄道会社が施設や線路を保有・整備するのが基本となっています。ここが他の輸送モードと大きく違う点です。

 

さらに言えば、線路を保有しているだけでは、人々を輸送する事が出来ないため、「輸送サービス」を提供する必要があり、車両費や人件費といった部分も、鉄道会社の持ち出しとなっています。

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そのため、鉄道会社は、支出の大部分(例えばJR西日本で80%以上)が車両費と人件費で構成されています。

 

今回はあくまでデータの話にとどめ、私見は次回に述べます。